建築物省エネ法

【法改正】知らないとヤバい、300㎡以上の物件が省エネ適判に変わるタイミングとは

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昨年5月17日に公布された改正建築物省エネ法の中で、2年以内の施行とされていた「300㎡以上の非住宅を省エネ適判の対象とする」省エネ適判の範囲拡大が2021年4月1日からと正式に閣議決定されました。

先日の9月1日に報道発表が行われた施行内容は下記の3つですが国土交通省のサイトにも掲載されていますのでさらっとチェックしておきましょう。

  • 中規模のオフィスビル等の基準適合義務の対象への追加
  • 戸建住宅等の設計者から建築主への説明義務制度の創設
  • 地方公共団体の条例による省エネ基準の強化

(引用元:https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000963.html 国土交通省報道発表資料より)

今回の記事では具体的にどの物件から省エネ適判として扱われ、どの物件までが省エネ届出でいいのかを解説し、新しく創設される省エネ性能の説明義務制度を含めた判定フローを一緒に見ていきたいと思います。

これから計画の始まる物件が省エネ届出、省エネ適判、省エネ説明義務のどれに該当するのかをしっかりとおさえて、出し忘れなどによるペナルティを受けないように進めていきましょう。

300㎡以上の非住宅はどこから省エネ適判に変わるのか

省エネ適判の範囲拡大が適用される日どりが正式に決まり、少しずつ意識も高まりつつある省エネ法の改正ですが、2021年4月1日付近で確認申請や省エネ申請が必要な物件はどういった条件で分けられていくのか、みなさんはご存じですか?

省エネ届出は着工日の21日前までに提出が必要で、省エネ適判は適合判定通知書が交付されたのちに、確認済証が発行されて工事が始められるようになります。

いずれも着工日からの逆算と設計に係る時間との兼ね合いで、確認申請の日どりを決めたり、省エネ計算の依頼や納期調整を行っていくことになると思いますが、300㎡の非住宅が省エネ届出か、省エネ適判になるのかによって、計画の組み立ても変わりますので注意しておかなければなりません。

各申請書の提出のタイミングによる細かい判断条件は下記の図1にまとめておきましたので、見ておいて欲しいのですが、簡単に言ってしまうと「2021年4月1日前までに確認申請を出せば省エネ届出になる」ということです。

図1:省エネ届出と省エネ適判の切り替わり

省エネ届出と省エネ適判の切り替わり

しかしどうしてもそれが間に合わない場合は省エネ届出を2021年4月1日前までに出しておけば、省エネ適判にならずにすみます

300㎡未満の建物はどこから説明義務が必要になるのか

では、今回の省エネ法改正で新しく創設される、300㎡未満の建物に関する説明義務はどうでしょうか?

説明義務制度の対象となる物件かどうかは、設計委託を行った日で判断されますので、建築士への設計委託が2021年4月1日以降に行われた物件が説明義務制度の対象となり、それよりも前に設計委託を行っておけば説明義務は不要となります。

説明義務制度の詳細についてはまた別の記事で解説していきたいと思いますが、新築住宅の購入を検討している人たちへのアンケートでは「ぜひ検討したい」が63.5%、「具体的な提案があれば検討したい」が29.2%と合わせておよそ92%もの人たちが建物の省エネ性能を高めることに関心を持っていますので、説明や提案方法などはしっかりおさえておいたほうが良いでしょう。

図2:説明義務制度が適用されるタイミング

説明義務制度が適用されるタイミング

新しくなった省エネ計算の判定フロー

省エネ適判の範囲が300㎡以上に広がり、説明義務制度が新たに加わったことで「どれに該当するのか分かりづらくなったんじゃないの?」と思われている方もいるかもしれませんが、実際には以前よりもすっきりとして分かりやすくなった印象を私たちは持っています。

言葉で簡単にまとめると、
住宅の300㎡以上は省エネ届出、非住宅の300㎡以上は省エネ適判、300㎡未満は住宅も非住宅も説明義務が必要になる(10㎡未満は説明義務不要)というものです。

フローを図にまとめておきますが、非常にシンプルです。

図3:新築物件の省エネ計算の判定フロー

新築省エネ申請判定フロー

まとめ

いかがでしたでしょうか、300㎡以上の非住宅に省エネ適判が適用されるのは、確認申請を2021年の4月1日以降に行う場合であることと、説明義務制度の適用は設計委託を行うタイミングが2021年の4月1日以降かどうかで判断されるということを簡単に覚えておきましょう。

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