建築物省エネ法

住宅も省エネ適判に変わる?!建築物省エネ法の改正ロードマップまとめ

2021年11月に経済産業省から2050年のカーボンニュートラル実現に向けたロードマップが発表されました。

その中には省エネ適判の対象物件範囲の拡大や省エネ基準の引き上げなどかなり大きな法改正が2030年までにコンスタントに行われていくことが明らかになりました 。

経済産業省サイトよりhttps://www.meti.go.jp/press/2021/08/20210823001/20210823001.html

ここでは4つのポイントに絞って解説を行っていきたいと思います。

2024年 非住宅(2,000㎡以上)の省エネ基準引き上げ

大きな法改正の先陣を切って、まずは2,000㎡以上の非住宅の省エネ基準が現行のBEI 1.0からBEI 0.8 に引き上げられます。

BEIとは一次エネルギー消費量の事で、設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量で算出した値です。

当社調べになりますが、省エネ基準がBEI 0.8になると、現在省エネ適判を受けている2,000㎡以上の非住宅のうち29.03%の建物がBEI 0.8をクリアできず、省エネ計画の見直しが必要になります。

エネルギー効率の高い機器に変えたり、断熱性能の高い部材に変えるなどの対策が求められます。

あなたの設計している物件に該当する建物はありませんか? 省エネ計算をした結果、BEIがいくつだったのかを設計と照らし合わせながら、傾向などをつかんでおきましょう。

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2025年 住宅を含めたすべての規模の建物が省エネ適判に変わる

2025年いよいよ住宅を含めた全ての規模の建物が省エネ適判の対象に変わります。

300㎡未満の住宅、非住宅の全てが対象です。

世界情勢などの影響で先送りされていましたが、いよいよ住宅も省エネ適判の対象となります。

住宅関係の建築設計が多い方ですと、省エネ適判の経験が無く、よく分からないと思っている方が多いのではないでしょうか。

建物が省エネ適判の対象になると、省エネ基準をクリアしないと確認申請は下りませんし、完了検査で省エネ適判の内容も現場検査が行われ、建物の引き渡しにも影響します。

届出と適判の違いについてはこちらで詳しくお話ししていますので、合わせてご覧ください。

アイキャッチ
省エネ適判と省エネ届出の違いとは?省エネ適判は建築確認と連動しています。 計画変更などが発生すると再計算や再審査が発生し、時間んもコストも余分にかかってしまいます。 建築主さまのためにも正しく理解して無駄のない建築計画を組み立てましょう。...

確認申請の提出準備に合わせて省エネ適判の段取りも進めておく必要がありますし、完了検査までに現場で発生した変更は省エネ計算書に反映して変更申請を行う必要があります。

省エネ適判の変更申請には1.5ヵ月程度の時間が必要になります。

これは建物の引き渡しを予定通りに進めるために非常に大事なポイントになります。

実際に2021年の法改正で省エネ適判の対象物件が増えた時にも、省エネ適判を初めて経験される方が増え、確認申請の軽微変更と同じように、1週間もあれば省エネ適判の軽微変更も終わると思ってしまい、完了検査直前まで変更申請を行わなかった結果、物件の引き渡しが遅れてしまうという事態が起きています。

変更申請に1.5ヵ月?!失敗しない省エネ適判「軽微変更」の進め方「確認申請の軽微変更と同じように、省エネ適判の軽微変更も1週間くらいで終わると思っていた・・・」 こんな思い込み、あなたにもありませんか? 省エネ適判の軽微変更には建築規模に係らず、省エネの再計算や変更申請の審査で1.5ヵ月くらいの時間が必要になります。 この変更申請は完了検査の前日までには済ませておく必要があるため、確認申請の軽微変更の感覚で1週間前に対応を始めても間に合いません。...

変更申請には再計算や再審査に費用も発生しますので、その辺りも抑えて計画を進めていきましょう。

2026年 非住宅(300㎡以上)の省エネ基準引き上げ

2024年の2,000㎡以上の非住宅に続いて、300㎡以上の非住宅についても省エネ基準がBEI 1.0からBEI 0.8に引き上げられます。

300㎡以上の非住宅まで対象が広がると、現行の基準(BEI 1.0)はクリアしていてもBEI 0.8をクリアしていないという建物の割合が当社調べで39.24%に上り、2,000㎡以上の非住宅と比べると10%の増加になります。

さらに300㎡以上2,000㎡未満の建物に限定してみると、およそ半分にあたる45.83%の建物がBEI0.8をクリアできていないという状況が見えてきます。

その中でも老人ホームや福祉施設などは各部屋に給湯が付いているため、BEIが高く出る傾向があり、物販店舗などでは面積に対する照明の能力が高くなることでBEIが高く出る傾向が出ています。

2030年 省エネ基準をZEH・ZEBレベルに引き上げ

これらのステップを踏みながら、遅くとも2030年までには省エネ基準はZEH・ZEBレベルまで引き上げられていきます。

具体的には戸建住宅や共同住宅などの省エネ基準は、断熱等級が4から5に上がり、一次エネルギー消費量がBEI 1.0からBEI 0.8に上がります。

2030年からの住宅の省エネ基準

・断熱等級5

・一次エネルギー消費量・・・BEI 0.8

非住宅の省エネ基準は300㎡以上の建物がBEI 0.5になります

ただし300㎡以上でも事務所、学校、工場等はBEI 0.6、ホテル、病院、百貨店、飲食店、集会所等はBEI 0.7となることが予定されています。

また300㎡未満の小規模建築物はBEI 1.0からBEI 0.8に引き上げられます。

これらをまとめたのが下記の表になります。

2030年からの非住宅の省エネ基準

■300㎡以上の非住宅・・・BEI 0.5

■300㎡以上の非住宅で例外の用途
 ・300㎡以上の非住宅でも事務所、学校、工場等・・・BEI 0.6
 ・ホテル、病院、百貨店、飲食店、集会所等・・・BEI 0.7

■300㎡未満の非住宅・・・ BEI 0.8

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